コーレス(Colles)骨折の診療

コーレス骨折とは、転倒時に手をついた時に起きる橈骨遠位端の骨折で、骨折の中でも最も頻度の高い骨折の一つです。高齢者、といっても60-70歳台に多いのですが、転倒して手をついて起こる骨折です。骨粗鬆症を基盤にもつ高齢者に多いのですが、80歳以上の高齢者では転倒時に手が出ないので,むしろコーレス骨折としては少ないといわれています。コーレス骨折の症状は、手関節部の腫脹と疼痛、もちろん痛みのために手を動かすことができません。


治療はまず、徒手整復して、3~4週間のギプス固定で経過を観察します。簡単に整復されても、すぐに再転位を来たす不安定な場合には、再転位を防止するために経皮的骨接合術(皮膚の上からピンや釘のような器具で骨折部を固定する手術)を考慮します。また粉砕骨折例(バラバラに骨折し関節面がずれた症例)では内固定術(皮膚を切開して、骨折部を展開しプレートなどで繋ぎ合わせる手術)を検討します。



コーレス(Colles)骨折と手関節周辺の骨


コーレス(Colles)骨折とは


コーレス(Colles)骨折の治療中に気をつけること


コーレス(Colles)骨折の治療ゴール


コーレス(Colles)骨折の受傷日から1週までの経過


コーレス(Colles)骨折の1週から2週までの経過


コーレス(Colles)骨折の6週まで


コーレス(Colles)骨折の6週から8週まで


コーレス(Colles)骨折の8週から12週まで



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コーレス(Colles)骨折の8週から12週まで

骨癒合はリモデリング期で線維骨は層板骨に置換される。リモデリング過程は数ヶ月から数年を要する。関節可動域は全可動域を確保、特に回外と尺屈は日常生活に重要なので重点的に訓練を行う。


手関節での荷重を許可される時期、手をついて起き上がったり、軽く身体を支えたりしても良い時期です。ただし、ハンマーや木を切るなど激しい運動は16週以降までは行わない。


ギプス外れて1ヶ月ぐらいは、加重に気をつけていました。不用意に右手をついていまうと骨折部以外のところが怪我をするからです。


コーレス(Colles)骨折の部分は、少々のことでは折れません。頑丈になっていますから。むしろ、その周辺の骨や関節などが、固定されていたために可動域の制限や筋力の低下などで無理な力がかかって大怪我につながるのです。手関節の背屈は特にゆっくりと意識しておこないました。


机をつかって軽く加重をかけたり、物を強く握ったりする、ですが、いずれもゆっくりと意識して決して痛みを感じないような程度にとどめました。


幸い、骨折から3ヶ月ころには、骨折する前のほぼ90%ぐらいまでに回復しました。結局、骨折してわかったことは、右手関節が不自由になると日常生活に多少支障がでるもののなんとか生きていけるということ。不自由ならそれなりに工夫をする知恵がついたこと、もちろん周囲の人の協力があってのことですが、感謝の気持ちをもって生きていくことが、絶対必要ですね。




そういう意味では、この本は最高ですね。夫婦は、「ありがとう!」





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コーレス(Colles)骨折の6週から8週まで

手根管症候群の発症についてチェックする。レ線上は化骨形成と骨折線が消失を確認、その他変形癒合や遷延癒合、偽関節についても評価する。手関節の自動可動運動を続ける。


拘縮があれば自動介助や他動的な可動域訓練も考慮する。温熱浴療法や水治療で不快感をできるだけ除去して関節可動域を拡大する。特に回外と尺屈に重点をおく。


手指と手関節の適度な抵抗運動を続け、患肢にすこしづつ荷重をかけていく。文字を書く、ドアを開けためドアノブをまわす、入浴時に身体を洗う、トイレ動作などの動作を患肢を使って行う。


待望のギプス除去をです。お世話になったギプスは床の間にでも飾って感謝の意を表しましょう。実は、これからが結構、気をつけないといけないのです。


これまでは、固定で不便だと感じていたのですが、いざギプスが外れると不安な気持ちなのです。右手に力が入らないのです。自力で手指は動かせれるのに力がない。箸は使ってご飯をはさんで、いざ口元にまで運ぶときに重たく、そして口元で手首を返そうとするとポロってこぼれる。



なさけないですね。左手箸を使ったほうが上手になっていました。箸ですらこれですから、そのほかの動作なんてしばらくは左手でしてました。


徐々に筋力がついてくると元には戻るのですが、まあ、もどかしいですね。ギプスがついていれば、他人からみれば、右手が不自由であることが理解してもらえるのですが、いざ外れると、見た目は健常人です。でも、右手は不自由なままでです。


この時期忘れられない、あのひと言が印象に残った本です。




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コーレス(Colles)骨折の6週まで

骨の癒合は、化骨の器質化が進み層板骨の形成が始まる修復期に当たる。骨折部は架橋性化骨で安定しており、通常この時期に整復はずれることはないが、この化骨の強度は正常の層板骨に比べてねじりの負荷に弱いので注意する。


加重はかけてはいけないが、肩、肘関節、手指関節の可動域運動を継続する。回外が制限されるので少なくとも回外50度が確保できることを目標とする。というのも、食事、入浴、トイレなど日常生活には上記の回外50度以上が重要であるからだ。もし橈尺関節での回外が制限されていれば、肩関節での外旋をするようになる。筋力強化のためボールや粘土を握るなどの適度な抵抗運動を反復することも大切だ。



骨折部に圧痛も動きもなくレ線上、化骨があれば骨折部は安定なのでギプスは中止する。レ線上骨折部が不安定でああれば、ギプスを再装着する。



とにかく、骨折以外の場所は極力動かしていました。右手がだめでも左手でなんとかなります。口を使ってくわえる、肘で固定するとか、普段の何気ない動作で右手が使えないと不便なことは重々承知した上で、それでも動作を続けるためのには、工夫をするしかないのです。少々不便でも何でもできます。



4週すぎると、ギプスがはずせる時期が待ちどうしくなります。あと2週間て14日なんですが、感覚的に日にちで勘定すると気が楽になります。固定されている手関節以外の関節やほかの体の部分が健康に維持できていることが大切です。ギプスをはずしてから直ぐに元通りというわけにはいきません。



ある程度、先の見通しがついて心の余裕ができてくると病気や怪我の医学的な本だけでなく、患者になってわかった医療のあるべき姿なんていう本も参考になります。


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コーレス(Colles)骨折の1週から2週までの経過

コーレス(Colles)骨折部の安定性はまだなく、骨癒合は修復期の始まりに相当し、骨形成系細胞が骨芽細胞に分化し繊維骨を形成する。レントゲン上は初期の化骨形成がみられる。整復が失われるのは2週まで、きちんと整復されているかどうかチェックする。



割とよく動かしていたので、ギプスを巻いていた包帯がすぐ緩んできました。毎日巻きなおしをしていました。



手指や母指の自動的可動運動を続ける。手の内在筋の筋力を維持するように運動を続け、手関節背屈する等尺性運動も開始する。日常生活での動作、食事、整容、排泄、入浴、更衣の各動作で健側を使う。患側での加重は行わないようにする。



右手が使えないので左手で箸を使って食事ができるようになりました。車の運転は、右手でハンドルをつかんであまり力をいれずに保持しているだけにとどめました。ウインカーを操作するときだけは、少し位置をずらしてななんとかできました。文字を書くのは、何とか時間を掛けてできるのですが、やっぱり筆圧が弱いので、下手な字になってしまいますね。それでも、まあ仕事はできるので1日も休まずに勤務していました。


骨折のリハビリではないのですが、自分で何かできることはないだろうか、おもって目を通したのが家庭でできるリハビリとマッサージです。


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コーレス(Colles)骨折の受傷日から1週までの経過

コーレス(Colles)骨折の受傷日から1週までの経過は、大体次のような経過です。


骨折部の安定性はなく、骨折部の血腫で炎症性細胞が増殖し骨折部の吸収が始まる炎症期で、レントゲン上骨折線が見えているが、仮骨はない。


手指がソーセージのように腫れるので、可動域が制限される。患肢を高く上げて、近位側をよくマッサージすると腫れが改善します。最も障害を受けやすい長母指伸筋腱のチェックする。


拘縮を予防するため手指と母指を自分で動かせる範囲で運動をします。また、ギプスで固定されていない関節、例えば肩関節は動かした方がよい。


手指の腫れがひけば、小指外転筋や母指対立筋の等尺性運動を行い、健側の手で患側の手指に抵抗を加えて内在筋の筋力を維持するように運動を行います。


要するに、骨が折れて1週間は、ギプスで固定されていますので、痛みそのものは無いのですが、とにかく手の甲や指がはれます。腫れがひどいとギプスの中で圧迫されて痛くなってきます。


できるだけ、折れた方の手を上に上げて腫れがひどくならないようにして、骨折と関係の無い関節は自分でできる範囲で動かしましょう。私は、四六時中、動かしていました。幸いにも、動かすことで手指の腫れは、2日ほどでおさまってきてその後は腫れは無くなってしまいました。



この時期少しでも骨を強くしようと考えて参考にしていたのが骨を強くするおいしいレシピです。




また、こんな本も後々参考になるだろうと思って目を通していました。生活機能障害別・ケースで学ぶ理学療法臨床思考です。


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コーレス(Colles)骨折の治療ゴール

コーレス(Colles)骨折の整形外科的目標は、橈骨の長さと掌側屈曲角を保持することを目標とします。


手関節の機能力学から、手関節正面レントゲン像で前腕遠位関節面で尺骨と橈骨の相対的な長さが2mm以上を避けることです。要するに橈骨の短縮が少なくなればよいとすること。


治療後の手関節の機能が良好なレベルは、手関節背屈45度以上、掌屈30度以上、橈屈15度以上、尺屈15度以上、回内50度以上、回外50度以上で能力低下がなく、最小限度の不快感、見かけの上の変形にとどまることが一応の目安である。


リハビリ的には手関節と手指の可動域を再獲得すること、手、前腕の筋力を改善ずること、機能的には強い握力、つかみ、はさみ握りを再獲得することです。骨が癒合する期間は6-8週間で、標準的なリハ期間は12週間を予定します。

日常生活では、お箸を使って練習したり、ソフトボールを握って筋力をつける、服のボタンをはめるなどいりろいろ訓練できます。


コーレス(Colles)骨折の治療ゴールについてでした。

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コーレス骨折の治療中に気をつけること

変形治癒とは整復が不十分な時や整復後の固定が不十分で骨折部が再転位してしまった場合、変形したままで骨折部分が癒合してしまうことです。

変形治癒では、手首を返す動作(回内・回外)で、特に手のひらを上に向ける回外の動作が制限されます。

回外の動作ができないと大変不便です。まず、食事で箸でつまんだ物を口の中に入れれない。それから、物を頂戴する時に手のひらを上にしますよね。これができないので、物をもらえない。お先にどうぞって、勧めれれない、などなど。


また手首の屈伸する角度も制限されてしまいます。高齢者で尺骨脱臼を伴うケースでは、同じ様な後遺症を残すことが多くなります。


拘縮は関節が固まった状態で骨折時の腫れが顕著で長期にわたることが多くみられます。糖尿病、膠原病などの疾患を有している場合は、腫れの引きも遅く拘縮が発生しやすい傾向があります。特に糖尿病などを患っている場合はかなりの確率で発生します。

骨折の当初より強い腫れが続くような場合は、固定している期間中でも指先を軽く握り開きするなどの配慮も必要となります。

また、骨折を生じた側の肩関節や肘関節も拘縮を併発することがあります。
骨折と関係のない関節は極力動かして拘縮を予防しましょう。
骨折と関係の無い関節や筋肉は、できるだけ動かしましょう。


長母指伸筋腱は、手の親指を伸展(伸ばす)ときに作用する腱で、ギプス固定除去した後のリハビリ中に、この長母指伸筋腱が断裂することがあります。長母指伸筋腱断裂は、更年期以降の女性や老人でみられ、また仮骨(折れた骨を一時的に仮修復する軟骨組織)が過剰に形成された場合などでも起こりやすくなります。

長母指伸筋腱の断裂を生じると、母指が伸展できなくなり、母指の付け根からだらっと力なくまがった状態となります。

固定除去時の状態で手関節周囲の筋や腱が極端に痩せていたり骨折部分の変形や膨隆が大きい場合は、母指の運動を伴うリハビリをしばらく控えた方が良いでしょう。

握力を回復させたり拘縮の改善を目的とするリハビリをする場合、母指以外の他の四指による運動から始めて、母指の周囲筋腱の状態が回復してある程度良好な状態を確認してから、必要があれば母指の慎重な運動をしましょう。

コーレス骨折で注意することでした。

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コーーレス(Colles)骨折とは

手首の骨折を医学的に、記載してみると次のような子難しい表現になります。

前腕の手関節の近くでの骨折を総称して前腕下端部骨折といいます。
この部位の骨折では、橈骨単独の骨折と橈骨と尺骨の両方の骨折があります。


前腕下端部骨折は、その骨折の型によりいくつかに分類されていますが。その内の代表的な骨折がコーレス(Colles)骨折とスミス(Smith)骨折です。


ま、要するに肘から手首までの骨が2本あって、親指側(橈側)の骨が折れる場合と2本とも全部折れる場合があるいうことかな。これにコーレスとかスミスとか名前がついているらしい。


コーレス(Colles)骨折とは、前腕下端部の骨折の中では、最も頻度の高い骨折です。骨折した橈骨の末梢端(骨折部分より手首側の骨折片)が中枢端(骨折部分より肘側)の背側(手の甲と同じ側)に転位(骨がずれること)しています。中枢側の骨と重なるように短縮するので手首がフォークの柄のように曲がってしまいます。

骨片の転位が大きいと、となりにある尺骨との関節(遠位橈尺関節)を支えている靱帯が断裂し、尺骨が掌側(手のひら側)に脱臼することもあります。特に高齢者では尺骨の脱臼を合併する例が多いのです。



これも難しいこと書いてあるが、コーレス骨折では、手首がまるでフォークの柄のように変形することが多いといことかな? それと、年寄りでは、尺骨が脱臼することが多いらしい。


治療は、転位を整復して、再度の転位しないように固定をします。 転位が大きいときは、固定する際に手のひらを下に向けて手首を手のひら側に曲げた状態(回内掌屈位)で固定します。固定する期間は、小児や若年者などで3週から4週、中高年から高齢者では6週間ぐらいです。



治療は、手のひらを下に向けて、手首は若干、手のひらの方向に曲げた状態でギプス固定をすること。徒手整復といって、ずれた骨を人間の手で物理的に戻すのですが、これが痛い!いきなり整復されてととんでもないことになります。

これから、かなり痛いですよ、とあらかじめ予告してもらって、心の準備をしてから整復を受けた方がいいですね。ギブスを巻くときは痛みそのものは徐々に去っていきますが、やっぱり痛い!固定した後は、意外と楽でしたが、やっぱり不便なことが多々ありした。


コーレス(Colles)骨折についてでした。


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コーレス骨折と手関節周辺の骨

不覚にも右の手首の骨、正確には右橈骨遠位端骨折、コーレス骨折といいいますが、この骨を折ってしまいました。ギプスで固定されていると普段の生活は不便で、健康の有り難味が身にしみてわかります。


パソコンのキーボードを打つときに手首の関節が固定されていると全く打てません。
もどかしい限りです。



ところで、手首の周辺の骨についてです。



手関節と前腕部の骨折は、子供からお年寄りまで年齢を問わず割と多く発生する骨折です。
その骨折の原因は、大体の場合が転倒したときに手を突いて骨折というパターンです。
骨折の形態は様々で、時に思いがけない障害を残すこともあります。



肘から手までの前腕の部分には、橈骨と尺骨という長い骨が2本あります。手のひら(手掌)を上に向けた状態だと、前腕の親指の側(外側)にあるのが橈骨という骨で、小指側(内側)にあるのが尺骨です。



肘を曲げた状態で手のひらを上に向けたり下に向けたりする動作を回旋動作といいます。手のひらを上に向けた状態から下に向ける回旋動作、ちょうど蓋をするような動作ですが、これをを回内といいます。その反対の動作、つまり手のひらを返すような動作を回外といいます。



回内の状態のときには橈骨と尺骨が交差して「バッテン」をしたような状態になります。逆に回外の状態では、手のひら返している状態では橈骨と尺骨は平行に並びます。前腕にある骨(橈骨と尺骨)が折れるとこの回旋動作が制限されてしまいます。とても不便です。





手首の関節は、前腕骨の内の橈骨と手の付け根(前腕側)にある手根骨とで関節されています。この手根骨は、通常8個の骨があり、橈骨と関節を造っているのは、親指側から舟状骨、月状骨、三角骨の3つの手根骨です。転んで手を衝いて骨折する場合の多くは、橈骨、尺骨、舟状骨、月状骨の何れかが骨折します。その他の骨が折れることは非常に稀れといえます。

手関節周辺の骨についてでした。



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